寝たきり予防の心得３

（「宇宙の理」2018年8月号より）

昼下がりのコーヒーブレイク寝たきり予防の心得2 より続く

いくら運動しても寝たきりは防げない

今年６月６日のＮＨＫテレビの「ためしてガッテン」で、興味深い内容が放映されました。

タイトルは「筋肉＆血管を強くする！世界が証明した究極の寝たきり予防法」でした。

毎日１万歩も歩いて家で筋トレしている87歳の夫と、運動嫌いの83歳の妻が居ました。
或る日、全国で行われている「健康チェック」が地域で実施され、ご夫婦で受けてみました。
握力測定や片足で立ち上がれるかなどを検査した結果から、どれだけ寝たきりになる危険性があるかを検査するものでした。

その結果が意外なものでした。
毎日運動を欠かさない夫の方が寝たきりになる確率が妻より可なり高いと診断されました。
何故そうなったのかは後述します。

３つの行動パターン

　カルフォルニア大学のスティーブ・コール教授は、寝たきりにならない方法を探して、３つの或る行動を３つのグループでしてもらい、その結果から寝たきりにならない行動パターンを割り出しました。

　コール教授が実験した寝た切りを防ぐことを探る３つのグループがした行動とは、

① 人に親切にする

② 世の中の役に立つことをする

③ 自分がうれしいことをする

　これを１カ月毎日３回することを続けました。
　どれが寝たきりにならない行動かのヒントは、細胞のアポトーシスを遅らせる行動であり、それは「存在価値」の確認ということにあります。

病は炎症、老化は炎症の積み重ね

　老化を促進させるのは「炎症」です。

　炎症とは、何かにぶつかって打ち身をしたときや捻挫をしたときに患部に熱を持つなどの現象です。のどが痛く咳き込み気管が腫れるのも炎症です。

　細菌やウイルスなどの感染、風邪の発熱も炎症で、白血球などの免疫細胞が戦うときに起きる現象はすべて炎症です。
　炎症とは体の恒常性（健康）を保とうとする現象で、病原菌や体への有害な刺激に対して戦うことです。

　ですから病の殆どが炎症なのです。
　精神的なストレスも免疫力を低下させるので炎症が発生しやすくなります。

　老化しないため、寝たきりにならないためには炎症を起こさないことが大切なのです。炎症が長続きするほどに自分の体はダメージを受けます。病は炎症であり、老化は炎症の積み重ねです。

　では理由を考えてみます。それは前月書きましたアポトーシスを遅らせるための存在の意義と価値の認識がヒントなのです。

　人は人と関りを持って人のために生きていることを認識ができると、細胞は存在価値を認識してアポトーシスが遅れて延命するのです。

　③は自分がうれしいことをすることでしたが、一番炎症が起きました。いくらワクワクして自分が好きなことをしていても、一人で運動したり、好きな映画を楽しんだり、好きなものを食べても、それが人に役立つことでなく、人の喜びのエネルギー、波動が自分に返ってこなければ、人は自分の存在価値を認識できないのです。ですから炎症が増えました。

　①と②は似ているように見えます。②は、例えば道路に落ちているゴミを拾うとか、人のいないところで黙々と行動するような行為です。

　①と②の違いは人に“直接”親切をするか否かです。これが人との触れ合いを作り、感謝を生み、存在価値の認識が為されます。この認識が直接出来るか否かが、細胞の健康にとって大きな違いとなるのです。

　ただし、③の自分にとってうれしいことが①の「人に親切にする」行動そのものであった場合には、①より更に炎症は減ったことでしょう。

生きている意味を互いに確認する

　生きている意味、すなわち「存在価値」を確認することほど大切なことはありません。

　黙々とゴミを拾うのではなくて、重い荷物を持った老人や、か弱い女性が階段を上っていたら荷物を持ってあげる、電車の中で妊婦さんに席を譲ってあげる、道に迷っている人を見かけたら積極的に声をかけてあげる、そんな人に直接親切にすることが大切なのです。救われた人が喜ぶ笑顔から、感謝する波動を細胞レベルで感じるからです。

　母親（妻）の料理がおいしくても黙って食べていたのでは母親は自分が役に立っているのか分からず自分の存在価値に気づきません。しかし「お母さん、これとても美味しいね」「また作ってね」と感謝の想いを乗せて言葉に出せば、母親は細胞レベルで自分の仕事が人に喜びを与えていると確認でき、若々しく長生きすることもできるのです。

　先月号で末期ガンの父親が家族からの感謝状を貰い、嬉しくて毎日読んでいたら腫瘍が消えてしまった例を書きましたが、感謝の想いは心の中に留めず五感で受け止められるように発することで人を救うのです。

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